ひだまりBlog

福祉の錬金術とは

同業他社のウェブをふらふらと探し回っていると、ここ10年ほどで従業員が500名を超えるほどに成長している民間企業をみつけました。社長はまだ30代で若いです。高校が私と同じで少し親近感も湧きました。ホームページのテイストをみればどんな企業風土か私にはだいたいわかります。「後輩よ、頑張りたまえ」というちょっと醒めた感想で、この会社に私も入りたいとまでは思いませんでした。

未経験の若者が10年でこれだけの規模の会社に育てたのだからたいしたものだと思います。でもなんか「ありがとうがあれば生きていける」がキャッチフレーズだった居酒屋チェーンとイメージがダブってしまい、やりがい搾取の匂いを嗅ぎ取ってしまいました。

福祉業界に新たに参入した人に問いたいのですが、皆さん、従業員を豊かにさせたいって思っていらっしゃいますか。

社会福祉法人の給与体系を検索すれば、とてもとてもゆるやかな給与の上昇であることがわかります。一般の会社と比べると低いですよね。昇給はありますが緩やかすぎて10年働いたところで、外資系コンサル会社の初任給までもいかないでしょう。(そこと比べるな!)という話ですか。そもそも頭の出来が異なるのだから。がむしゃらに働く知的体力がそもそも大きく異なります。特別優秀ではない我々にとっては、のんびり長く安定した職場で働けたらそれでよいではないか。福祉業界で働く人の大半はこんな気持でしょう。でないと続けられません。

ですが、他の業界から新たに参入した経営者はこう思うのではないでしょうか。「福祉業界の給与体系は低すぎる」と。だが、訓練給付報酬は決まっているのだから企業努力で収益をそんなに上げられるのか。

うちの社長の谷本は、どうも、我々の報酬について(要するに給与について)風穴を開けたいと考えているフシがあるのですよ。「世話人が幸せにならずしてご利用者さまが幸せになるか」という考えを持っていそうです。(谷本はあまりよけいな話をしない人です。)

谷本は、幸せとは何かという命題において「それはお金である」という明確な思想を持っています。これは近くにいればわかります。少なくとも(ありがとう)というご利用者さまからの感謝の言葉だけで人は幸せにはならないくらいは知っています。彼はファイナンシャルプランナーとして、セミナーを開いてこがね稼ぎをしているらしいのですが、利殖を夢見る人を口さきで騙しながらも、彼なりの錬金術の理論はあり、実践しているようなのです。結果が出ているから、グループホームビジネスへとさらに事業を展開させました。彼のテーマは、福祉という泥臭く儲かりそうもない業種で、しっかりと利益を出して、従業員が空調のよく効いた部屋で涼しい顔をして左うちわで働くことはできないだろうか。とこんな思いなのだと思います。

(※すべて当てずっぽうで話しを展開させています。)

私の高校の後輩の社長も同じような思いなのかもしれません。やりがい搾取なんていってすみませんでした。ですが、ひだまりサポートに所属する私は、他の会社を羨ましくはまったく思いません。転職をいくつもして、縁あってひだまりのいえにお世話になっているのですが、一番充実しているのです、仕事人生で今が。私は56歳です。一流企業のサラリーマンも55歳で役職を解かれる方も多いと聞きます。かつての部下が上司になり、お払い箱になるのを待つだけの日々の方もいらっしゃると思います。一方、私はスタートアップして3年の会社でのびのびと仕事をさせてもらっています。

草間彌生のかぼちゃの画が掛けられたオフィスでBGMをかけながら仕事に向かうことが出来ます。たいていオフィスは私一人の部屋なのです。優雅ではありませんか。日によっては補佐をしてくれる女性がコーヒーを入れてくれたりもします。

本日、お一人、入所されました。

私はホッとしましたし、社長も安心されたことでしょう。私には錬金術はわかりませんが、福祉業にあっても働く人が幸せになれるだけの給与が分配される仕組みはできるはずです。そう信じたいものです。ひだまりのいえの社風に興味を持たれた方は問い合わせフォームよりアクセスしてみてはいかがでしょうか。先行者利益という言葉もあります。でき始めの小さな会社に早く入社することで後から入る人より得することがあるかもしれませんよ。

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