ひだまりBlog

生活保護一歩手前の人への支援について

生活困窮者自立相談支援事業制度についての研修に参加しました。主催は全国自立援助ホーム協議会の南関東ブロックです。参加者は少人数で、自立援助ホームの運営者が出席し、登壇したのはNPO法人Social mate(旧SSS)の土井さんです。SSSというNPO法人はもともとホームレスへの支援をしている大きな組織で、現在、ツイッターをざわつかせている一般社団法人Colaboさんとも同じクラスターに入ると思います。まあColaboは救済するターゲットのセグメントがかなり限定的なのですが。

コロナ渦になり持続化給付金がとてつもない金額でばらまかれました。言葉は悪いですが非常時なので仕方のないことだと思います。職がない、健康でなく働けない、家賃も払えなくなった、借金もできない、大家さんは出ていってくれという、「さて死ぬか。」これではいけないわけです。日本にはセーフティネットの仕組みがあり、お金がなくなっても路上で野たれ死ななくてもよいようになっています。名目上は。福祉事務所があり生活保護制度があります。文化的で最低限の暮らしは憲法で保障されています。とはいうものの、ポケットの中にお金がなくなったので福祉事務所にいけば生活保護が受給されるかといえば、これはそうそうカンタンに決まるものではありません。

生活保護受給の一歩手前の階層(レイヤー)があり、行政はそこで食い止めようとするのです。この仕組みがなかなかに複雑です。一見さん(要するにお金に困ってしまい途方に暮れた生活困窮者)はどこに足を運んで誰に相談すればよいのかよくわからなくなります。役人ですらわかっていない人もいましょう。わかりづらい原因の一つに「生活困窮者自立相談支援事業」は市町村により、外部の事業体(NPO法人、株式会社)に委託しているところもあれば、役所内(社会援護課とフロアが同じとか)役所直営で行なっている自治体もあるようです。また、社会福祉協議会という、一般市民からみたら役所なのか民間なのかポジションがわからない事業体が生活困窮者のケースを調整しています。(社協は社会福祉法人であり民間です)。窓口が多く、どこがその事業に責任を持って担っているのかわかりにくいので、困窮者の相談に行き着くまでが一苦労することがあります。

今日の登壇者の土井さんは、NPO法人Social mateでは役所とは別の建物で独立した佇まいで、支援をしているようです。(銚子市が管轄です)

「第二のネット」、生活保護受給という「第三のネット」の一歩手前の段階では、住む場所を調整したり一時金を与えて当面の生活費を確保したり、未払いなどがあれば負債の整理を行います。口でいうのはカンタンですが、この仕事は大変です。私が考える最も大変な福祉はこの仕事ではないかと思うのです。

「家計改善支援事業」という事業が自立相談支援事業にはあるのですが、家計管理に関する支援、滞納(家賃、税金、公共料金など)の解消や各種給付制度の利用に向けた支援、債務整理に関する支援、貸付の斡旋、と書き出すだけでめまいがします。

私が想像するに、支援者の自宅を訪問するじゃないですか。足の踏み場もないほど荒れていることも多いでしょう。ほとんど家探しのごとく、支援者は、請求書や領収書をかき集めて未払いの状態を把握します。

滞納の解消もまずしなければなりませんが、引きこもりの人の多くは精神科受診が必要な人が多いと察します。私は土井さんにそのへんを質問しましたがやはりそのようです。

うつ状態だから、請求書がそのままになっているわけです。この根本を解決しないと未払いは解決されませんし、一人で行うのが難しいのならば生活支援(ヘルパー)が必要になってきます。精神科受診と福祉サービス受給者証申請の手続きが必要になってくるのではないでしょうか。精神科に受診する人というのはなにも統合失調症の人だけでなく「生きる意味を失ってしまった。もう、人生なんてどうなってもいいや。」という人も当然含まれます。

トイレに行くのもめんどうになりペットボトルに用を足すほど無気力になってしまった人は、当然ながら支援区分「2」くらいつくことでしょう。

そこで(わがひだまりのいえの登場!)いえ、グループホームへの入所というコーディネーションのケースも出てくることでしょう。障害者向けグループホームは、重い精神疾患や知的障害者向けのイメージが強いですが、うつ症状がなかなか治らずに拗らせている人(難治性うつ病)にも有効だと思います。さらにいえば、シェアハウスでもいい場合もありましょう。孤立した人が、肩寄せあっているだけで勇気も出てきて、自立していくことも十分にあると思います。

厚労省も県も、重度障害者にばかり目を向けがちですが、障害者手帳取得ほどまでもいかない、社会からするっと落っこちてしまった人を救済する社会資源にももっと目を向けてほしいと私はかねがね思っているのです。

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