ひだまりBlog

「シロウトは黙っとれ!」の場面

今年は新年の元日に能登半島地震が起こり、先行き多難な年となりました。今なお道は寸断されているところも多く、インフラの復旧には長い時間がかかりそうです。地形として山あいで平地が少なく、半島という悪条件では物資の輸送も大変でありましょう。東日本大震災と比べると震災の面積はだいぶ狭いですが、震度7の激震は修復が難しく、町を丸ごと作り変える必要がありそうな被害です。

そこでX(twitter)ののタイムラインを覗き込むと様々な人が言いたいことを言っているわけですが、口で言うってカンタンですよね。

「なぜヘリコプターから物資を投下しないのだ!?これは政府の怠慢である!」

と声高に意見する人が何人もいました。例によって自衛隊の投入が遅いとか、人員が少ないとか、総理は現地にいかないのか、など。ヘリコプターによる物資の投下というと、国連のPKOあたりが、アフリカなどで投下している動画を観たことがあります。たぶんここから連想しているのでしょうね。しかしながら能登半島の先の方は地形的にも難しい。投下して何百メートルにも渡って点々と転がった物資を、住民が拾いにいけということなのでしょうか。

また、いわゆる迷惑系YouTuberが寸断された被災地に押しかけています。石川県は「ボランティアさん来ないでください。」と公式に発表しているのに。あるリベラル政党の党首も勇んで現地に入りました。「道が寸断されているので通行には規制をかけるべし」と政府に提言。あなたもそうです。やはり最初に入っていくのは食料、衛生、糞便の処理等、自己完結できる組織でなければなりません。

自衛隊やプロフェッショナルなNGOの皆さんはそんなことに目もやらずに粛々と仕事をされている様子です。私はTV「鉄腕ダッシュ」で城島リーダーが「シロウトは黙っとれ。」と目を閉じてつぶやく場面を思い出しました。

部外者ほど意見をしたがるのですよね。

ケアマネとして在宅のケアプランを立てていたときに、同居していない親族がたまに利用者宅を訪問すれば、いろいろと注文がつくものです。主たる介護者(息子)は、福祉のサービスに満足されて感謝の言葉もいただくのですが、その姉妹(小姑といってもよいか)は自分では介護をしないのに、その場の思いつきであ〜だのこうだの言い出します。

精神障害の世界でもお母さんがよけいなことをして本人を自立から遠ざけてしまうとか。

業種を広告制作に変えてみても、原稿担当者(総務課の人)とですり合わせをして、さてこれで入稿しようかと思ったら、2週間前に本社から転籍してきた部長に原稿を発見され、「どれどれ、私にも見せなさい。」となろうものなら、どうでもいいことに修正がされて、せっかくの広告案がズタズタになっていく、なんていうこともあります。この手の困った人は、とりあえず口を出すことで(修正することで)『俺も仕事をしたぞ』感を出したいのです。

1月10日時点で、本当に身を粉にして被災地で仕事をしている人たちのほとんどは、メディアに出てくることはありません。そんな暇も心の余裕もないですよ。

話は少し横にそれますが、今回の地震発生直後、空からの映像は少なかったですね。ヘリコプターからの空撮で輪島市の火事の跡くらい。理由は1 月3日までは役所はお休みでどの社もドローン使用の許可申請ができなかったからという説があります。一方、BBCはおかまいなくドローンを飛ばして臨場感のある映像を撮っていました。こういう時って外国メディアはあまり国民感情に忖度する必要もなく、例えば涙を抑えきれないおっさんをそのまま写して、ピントがボケた背景と相まって雰囲気のある、まるで映画の一場面のような映像を配信してしまいます。それでいいのですよ、海外メディアは。日本人同士とは距離感が異なるから。

私はワイドショー向けに人物も背景もすべてにピントを合わせる日本のテレビもこれでよいと思います。(なんのこっちゃ)

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