福祉業界ではサービス管理責任者が不足しているそうです。「仕事が忙しい」「仕事が難しい」←この2点が成り手のいない理由でしょうか。「仕事時間が不規則である」←グループホームにおけるサビ管にはこの問題があると思うのですが、ネット上でこれを語る人をまだ見たことがありません。サビ管の業務内容について、サビ管4年目である私はまだ完全には理解していません。『サビ管のスタンダード』を知りたくて、採用面接の際に他所様のGHで勤務経験のある方にサビ管について尋ねることもあります。面接者からサビ管の話題になることも多いのですが、よくある話として「サビ管とはあまり会わない問題」があります。
世話人さんがサビ管と会うことはめったにない、サビ管が誰だかわからない、サビ管が何をする人なのかわからない、とおっしゃるのです。「サビ管が仕事をしない」とご立腹の方もいて退職の理由がサビ管であることも往々にしてあります。
先日、人材紹介会社の方とお話をした際にもサビ管の勤務時間について募集要項にきちんと定めることが難しくて困りました。グループホームのサビ管求人では9:00~18:00と記されている場合がほとんどです。実際の私(サビ管)はどうしているかといえば、今日の出勤は12:30頃でした。昼食前後の出勤が多いです。今日は出勤前、11時頃、外部関係者からの着信があり自宅でやりとりしています。わりと大事な話でしっかりとした仕事でした。9時を過ぎれば外部機関からの電話はやってきます。(自宅のリビングでゴロゴロしているわけですが)
一般的なサビ管さんは9:00に出勤しているのでしょうね。日中活動系のサビ管ならそれは当然ですが、グループホームの皆さんの多くは、日中は外に出ています。就労者は夕方帰宅するわけで、それにあわせて世話人もシフトに入ります。ひだまりのいえでは16時から。グループホームの活動は16時からが本番であり、ビジネスチャットもどんどん着信されます。もしも私が9:00~18:00の勤務時間で仕事をしていたら、世話人さんの勤務時間と2時間しかかぶりません。
これでは仕事にならない、時間効率がとても悪いと思うのですが、他のグループホームのサビ管はどうされているのでしょうか。シフトに責任を持つサビ管は、シフトに穴が空いて代わりに自分が入ることもあるものです。夜間帯をNGとしていたら仕事にならないと思うのですが、ホント、他の施設のサビ管の仕事ぶりがよくわかりません。
「サービス担当者会議は日中にあるでしょ?」「利用者の受診の同伴はどうしているの?」
「病院のSWも日勤で仕事をしているのだし、アポイントはどうしているの?」との疑問が私に対してありましょう。もちろん私は10:00のアポなら10:00に出向きます。たまに夜勤明けの世話人さんやご利用者さまに用事があって8:00にホームへ向かうこともあります。世話人のシフトに入ることもあります。「仕事時間が不規則である」とはこういうことなのです。
「労働法から外れていませんか?」との疑念を感じる方もいらっしゃいましょう。この場で詳細を語ることはしませんが、私自身はこの勤務スタイルを気に入っていて、ブラックだとは感じていないのです。平日、特にアポのない日はお休みにしたり、夕方出勤して、ご利用者さまとご飯を食べておしゃべりをしてそれだけで帰宅することもあります。これも仕事でありボランティアではありませんが。確かに私の月の勤務時間は多いので、もう一人、サビ管に来て欲しいと願っています。そこで人材紹介会社の人の話に戻ります。はっきりしない勤務時間の説明に「もしや、ひだまりのいえは紹介すべきでないブラック企業か!?」との疑念も持たれかねないのです。
確かにブラック労働で私は会社に洗脳されているのかな…。
夜、「さて寝るか」と布団に入り目をつぶったところで着電があり、ご利用者さまが何かをやらかして深夜に自宅からクルマを走らせるなんてこともたまにあります。でも、ここで対応するのがサビ管の仕事です。サビ管がやらずしていったい誰が責任を持つのでしょう。サビ管は24時間、ご利用者さまを見守る態勢でいます。(現在のひだまりのいえの場合)
これは気苦労が大きいものですが、常勤の生活支援員の他、世話人リーダーというパートさんながらも主任格のスタッフ職を作り、さまざまな雑務を彼らにお任せしています。世話人の一人ひとりのサービス品質がよいと私はそれだけラクになります。
サビ管の業務は多岐に渡り大変だということに世間的にはなっているわけですが、私にとって重要なのは実はそちらではありません。「ケースワークができるか」これにつきます。ソーシャルケースワークは専門的な技能であり時給換算する仕事ではありません。瞬時にケースを把握する技能が求められるのですが、「これができる相談員としてのスキルを持っている人材が欲しい」との要望は現在の福祉労働市場において高望みらしいのです。
「荻野といっしょに仕事をしてみたい」と感じられた方がいらしたらいつでもお待ちしております。
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