ひだまりBlog

グループホームのフランチャイザーがいわないこと

障害者グループホームで検索するとPRページで「グループホームで儲けましょう!」的なページが上に出てきます。動物との共生を謳うところが派手にフランチャイジー募集を展開しています。他にも何社か出てきますが、未経験者がいきなり参入するにはけっこう難しいビジネスではないかと思うのですが皆さんお元気ですか?

「儲かります!」と呼び込むコンサルタントの営業トークはその根拠として、精神障がい者の数の多さと、それに反して入所施設が少ないことを統計の引用で紹介しています。精神障がい者は要介護者よりも数は多いのであると。それに引き換えグループホームはまだ圧倒的に少ない。総量規制されぬ今のうちが始めるチャンスだぞと。

統計って見せ方次第でなるほどそうか!と相手を説得させるアピール力があるものです。ですが、加盟金を納める前にここはひとつ地元の障害福祉課へ足を運んで情報収集することをお勧めします。「グループホームは足りていますか?」と尋ねてみてください。福祉はその地域に密着したものですから、本部が作る青写真だけを見てもそのとおりになるかどうかはわからないものです。

あるフランチャイザーの営業トークで、グループホーム入居者の平均入居期間を19年とか20年と言っているのを何かで読みました。う〜ん、かつてはそうだったのかもしれません。今後はどうでしょうか。数は少ないし終の棲家としてグループホームへ入所していたのでしょう。もちろん、かつてのホーム利用者は中程度以上の知的障害者が大半だったと思います。これらの方々はおそらく児童の頃より福祉サービスを利用していて、その地域の作業所に通っていたり、社会福祉法人の施設に入所歴があるなど、元々、伝統的な福祉コミュニティーに属しているものです。新興勢力が入りにくい独特の風土感もあるのです。

新たな参入者にとって、もちろん、ひだまりのいえにしても、入所の対象となるご利用者は、知的障がい者というよりも精神障がい者がメインになってきます。病気になるまではまさか自分が障がい者となり福祉のお世話を受けるなんてぜんぜん思ってもみなかったような人、社会経験もあった人、これからグループホームを利用する方々の多くはいわば精神障がいにおけるニューカマーになってくるのではないでしょうか。

彼らにとってグループホームは必ずしも終の棲家ではありません。いつかはひとり暮らしをしたいと願う方も多いのです。精神科病棟⇒(生活訓練施設)⇒グループホーム⇒アパート暮らしと自立に向かって歩む通過点として、グループホームの数年間がある、ホームは一局面であるという認識です。

グループホームフランチャイザーにあり、この自立に向けたケアマネジメントの視点を語るコンサルタントはいるのでしょうか。フランチャイジーを集めるのに利用者の退所の話を語る業者なぞいません。それがフランチャイズビジネスというものです。

私がここで強く思うのは「自立支援に向けたケアマネジメントの視点を持たずにただただ利用者を囲うような運営をして楽しいのだろうか」ということです。私は面白くありません。自立度が高くなりひだまりのいえを退所されたご利用者さまは、私達には成功事例です。就労支援事業所で、利用者が就職実績を残すのと気分は同じです。ケアマネジメントの視点を持たない事業者が長くこの事業を継続するのは難しいのではないかと思うのです。

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コメント

    • タンノタカヨシ
    • 2023年 3月 05日

    荻野さま こちらのHP、ブログを拝見しております。
    私がこれまで経験してきた中で、GHにおける「自立」「自立支援」「就労施設」についての疑問に、
    お応えいただけそうな感じがして楽しみです。
    よろしくお願い致します。

      • 荻野吉重
      • 2023年 3月 06日

      タンノさんこんにちは。過去ログを読まれるとうれしいかぎりです。よろしくお願いいたします。

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