ひだまりBlog

『こころのナース夜野さん6巻』/陰性感情について

ひだまりブログでもご紹介してきた「こころのナース夜野さん」は6巻で完結しました。最終巻のテーマは「仕事に飽きる」「悩めるお医者さん」等、今回も興味深い内容です。

さて夜野さんは1巻目と比べるとだいぶ経験値を積んできましたが、一方では患者によっては陰性感情を抱くこともありました。陰性感情とは簡単にいえば患者を嫌う気持ちです。(看護日誌をチェックした看護師長がその文面から「陰性感情が出ているわ。」と発言する場面もあります。)夜野さんは境界性パーソナリティー障害の女の子に陰性感情を持ち、担当から離れていました。精神科病棟ではときどきあることなのでしょうね。久しぶりに言葉を交わしてみたら相手はニッコニコでした。まあボーダーとはそういう人たちなのですが。

また夜野さんは若手の医師から「医師の自助会」への参加を勧められました。精神科の医師らが時々集まって悩み事を相談しあっているのです。オーブンダイアログの手法も使っていました。中には「私は精神疾患を持っているから気をつけている」なんて発言する女医もいました。精神科医への精神科的ケアは話には聞いていましたがやはりあるのです。例えば、私自身が精神科的セラピーを受けていてもなんらおかしくはなく、むしろ受けたほうがいいなとも感じました。

「心神喪失で重大な他害行為を犯した者」の回も私にはとても興味深い回です。医療保護観察法のケースが2人、病院にやってきます。医療保護観察所によるケア会議が当然行われて援助方針を考えていくのですが、看護師によっては加害者(犯罪者)への支援を嫌悪する人も出てきます。陰性感情です。「今の日本の社会は加害者への支援はあるのに被害者への支援は少ないじゃないか」という不平等感も語られます。でも「私たちは加害者への支援をするのが仕事です!」と看護師長が一喝する場面もあり、このあたりは我がひだまりのいえにとっても感慨深いものがあります。

他に「男の育児うつ」の回はある種の逆差別の事例を扱っていてジェンダーレス社会を目指すがゆえの社会的ギクシャク感が描かれ、この問題はまだまだ世間に明らかになっていない問題だと感じました。

最終巻も読み応えがあり、丁寧な取材力が根底にありました。漫画1話を描くのに費やされる取材は作画の何倍もあるだろうと想像しました。私たちの仕事とも繋がっていて勉強になります。この漫画はたった6冊なので全巻をお読みになることをお薦めします。

rhdr

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