ひだまりBlog

児童向け福祉施設支援者のための研修に参加した

先日、「施設・地域・行政が協働したアフターケア・自立支援」研修に参加しました。

神奈川県では県の子供家庭課(千葉県だと児童家庭課)と児童養護施設等との連携がよくできていて、あすなろサポートステーションという名前の相談支援センターが県内にいくつもありよく機能しているのです。千葉県でいうと「中核地域支援センター」がこれに該当すると思います。堂本知事時代に作られた仕組みで、船橋市ではさーくる、ふらっと船橋が中核地域支援センターです。これとは別の仕組みで、市町村単位で作られる基幹相談支援センターがあります。船橋市ではNPOのふらっと船橋が担っています。このようにふらっと船橋はどちらにも属しています。「基幹相談支援センター」と「中核地域支援センター」なぜ2つの仕組みがあるのか。

堂本知事は県政としての独自な何かをやりたくて新たな仕組みを作り、大阪市と大阪府の二重行政なかんじになったのでしょう。神奈川県のあすなろサポートステーションは子供への援助に特化しているようで、児童養護施設とのリレーションがとても密な様子なのです。県の職員が施設に研修などで実際に入り込んでいく人的交流があります。

児童相談所のワーカーと児童養護施設(自立援助ホームもざっくりこのカテゴリーに入れてもよい)が二人三脚で仕事をしているかんじで援助計画を一緒に作成している様子でした。

千葉県とは関係性がだいぶ異なるようでした。ケースワークを協働で行っていて「責任の所在がどこなのだ?」という話題になる場面がありました。きっちりとした結論はでませんでしたが私は嬉しかったですね。神奈川県の関係機関は「責任の所在」について考えているのですから。「社会的養護の経験のない子供と関係を深めていくのは大変」とのコメントもありました。社会的養護とは福祉によるアプローチです。小さい頃に援助を受けた経験のある子どもは思春期以降もすんなりと我々の援助を受け入れやすいのです。

あすなろサポート(民間)と児童相談所職員とで、子供と相対する時に予め役割分担をして「今日は、私が嫌われ役やるから!」というやりとりが事前にあったりするそうで、施設と役所の連携がうまくいっているのだなと感心しました。

児童系の福祉サービスについて、神奈川県では官民の連携がよくなされていることがわかりました。千葉県でも負けずにこのようになりたいものです。

二日目は分科会的に小さな部屋で、児童福祉施設、児童家庭センター、自立援助ホーム等の関係者が集まっていました。フリーのディスカッションに近い話だったのですが、「連携していく要素で事例検討会を開くことの重要性」がある講師からあり、そのとおりだと思いました。(初日にあった話ですが。)ケースをみんなで検討しあい、経験値の高い人によるスーパービジョンを受けることはスキルを高めるうえで大切です。そのテキストを積み重ねて事例集を作成し、経験値を事業者間で共有していけば、その県の施設全体のサービスの質は上がっていくと思うのです。福祉業界の人々の閉鎖性をその講師さん(渋沢さん)はおっしゃられていてこの点は激しく同意です。

千葉県の自立援助ホームにおいては「みんなの家」の小倉さんの言葉に共感しました。

「自立援助ホームは就労自立をミッションとされているが、最近は働かないのではなく働けない子供が増えてきた。精神科との連携が必要なケースもある。」

私は児相からケースを受けるにあたりその子供の発達の具合について注意深くインテークするのですが、児童福祉の世界って、そこに触れてはいけないものを感じるのです。「まだ子供なのだから」とか「決めつけてはいけない」とか「改善の余地がある」とか。そもそも頑張っても一般就労に向かない子供に対してただ「頑張れ」と励ましたり「待つのです」と子供が成長して矯正されるのをひたすら待つというのも、無策に思うのです。精神保健の世界に所属する私からみれば「早く精神科医療に繋げられれば早くよくなるのに。」と感じます。しかしながら児童福祉の世界では精神科受診は敷居が高いのです。このある種の偏見・先入観を変えないといけないなと個人的には思いました。

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