ひだまりBlog

グループホームの選び方について。

介護保険制度における高齢者グループホームとは違って、障がい者向けのグループホームって何かわかりにくいところがあります。身体障がい者は別にしても、知的障がい、精神障がい、発達障がいと大きく3つのカテゴリーに分けられますし、障がいの程度の大きさも様々で、人によっては2つ3つの障がいがミックスしていることも多いです。「私は障がいがあるのでグループホームに入りたい」と思ってどこかのホームを見学しても、自分が想像していたイメージと運営のやり方や住んでいる人の雰囲気が全然違って面食らうこともあるでしょう。

ネット上にあふれるグループホームの情報をどのように読み取ればよいのでしょうか。

精神障がい者向けのグループホームについては、ざっくり2つのタイプに分けてみるとよいと思うのですが、それは、①、歴史のある古参のグループホームと②、3〜4年前からスタートした新興のホームの分け方です。

元々のグループホームといいますか、10年以上前から運営している施設は、法人格がNPO法人、社会福祉法人が多いです。それは草の根の福祉運動より脈々と受け継がれていて、その始まりは障がいを持つ人の親たちからの要請でした。利用者は、ダウン症やカナー症候群の自閉症の人だったりと障がいの程度はわりと重く、作業所での日中活動とグループホームは一体となっていて、ホームは仕事を終えた利用者らがゆうげを楽しむ住み家としての機能を働かせています。スタッフも就労支援事業所の人が、時々、グループホームでも勤務している配置で、利用者、職員ともに重なっている人が多いです。この伝統的なグループホームでは、本人の自立を促す目的で、掃除当番やお皿洗いの当番など、集団でのルールがいろいろあって忙しかったりもします。ルーティーンを好む方が多い世界なので当番制は秩序を保つ上で有意義です。

そして二番目に、最近、運営し始めたグループホーム郡があります。法人格は合同会社か株式会社が多いです。一般社団法人もあります。グループホーム単独の事業が多く、訪問看護ステーションが併設されたところもあります。作業所との併設はあまりありません。これまでまったく関係ない事業をしていた人が参入してきています。20年前に介護保険制度が始まった頃に介護事業への新規参入者がどっと増えた時代がありました。あれほどのムーブメントではありませんが、ここ3年ほどグループホームは急速に増大しています。

その理由は建築基準法が改正されてグループホームが作りやすくなったことや、高齢化により空き家が増えたことがあります。そして背景として、精神科病院における長期入院をなくしていこうという国の政策があります。患者を病院や施設に閉じ込めておくのではなく、寛解した人、病状が落ち着いている人はどんどん地域で生活していただこうとする方針です。

いわばグループホームにおける新しいクラスタができたわけで、地域で生活したい人の受け皿としてのグループホームがどんどん出てきました。

こちら、新興のグループホームは、精神疾患の既往を持つ方が多いと思います。伝統的なホームは知的障がい者の世界でした。精神科病棟から住まいを移るのに、知的障がいの人たちといっしょはとても馴染めないという意見が多いのです。

(もう一つ、新興のグループホームでも知的障がいの方メインのところももちろんあって、それは親の高齢化により子どもの行き先が必要になったというケースです。このニーズも増える一方でしょう。)①では当番やルールがいろいろあることで皆さんがうまく共同生活を過ごし、②ではルールの少ない一般のシェアハウスみたいな居心地のよさをもって、共同生活の秩序を保っています。

ホームページを閲覧するのに、また施設見学をするのに、「このホームは①のタイプか②のタイプか」を確認するとよいと思います。あなたをアテンドしてくれるサービス管理責任者の雰囲気、人当たりをみて、福祉の理念についての考えを質問しましょう。

ひだまりのいえは二番目の新興のグループホームです。伝統のあるグループホームからみたら自由すぎるというか、入居者に対して甘すぎに見えるかもしれません。しかしながら私達は決してご利用者さまを甘やかしているわけではなく、個別的な接遇を基本としています。ケアマネジメントは個別的なものであり、個々に計画書は異なりますから、人によっては自由すぎるように見えるのかもしれません。

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