ひだまりBlog

グループホームのゴールキーパー

グループホームには様々な機関や個人から入所の問い合わせがやってきます。このホームページをご覧になった個人の方がお問い合わせされて、それは誠にありがたいことで丁寧に回答するように心がけています。よく問い合わせのある事業所の相談員とはツーカーといいましょうか、文書での情報をいただく前の電話の段階で、ケースのツボがわかるといいましょうか、どんな方なのか利用者の人物像がだいたいわかる場合もあります。一方ではたまにビックリしてしまうケースを調整される機関の方もいらっしゃいます。

○アセスメントがぜんぜん出来ていない

「クループホームに入りたいようなのです。」といったふわったとした電話連絡がある相談支援専門員よりありました。支援区分は『4』。ひだまりのいえにおいては4だと入所には適応しないケースが多いので、(4というのは何かあるんですか?)と尋ねると、「暴力をふるうことはありません」となんか焦点がずれた返事。要領の良い会話にはならず、先方が見学をご希望されているとのことで、まずは相談員、本人、母親とで見学をすることになりました。

一通りホームをぐるっと周り、その後お話を伺うことになりました。かるい日中活動を月2〜3回利用されているほかは特に何もされていないその人の顔は、険しさ、不安、無表情と言葉で表現するのは難しいのですが、私には病棟の中にいるべきの人に見えました。入院を数ヶ月前までしていたのですが割と短期間で退院されていました。これもなんか変だなと感じました。相談員は静かで私に説明することもなく、私の質問に対する母親の返答をメモしています。(いやいやあなたがいまメモしているようではまずいのではないか。)

母親からヒアリングしながら少し踏み込んで(暴れたりすることはありますか?)と尋ねると「ええ、時々暴れたり大声を出したりします。」との返事。入院が短期間に終わったのも、病棟での本人の行動に問題があり体よく追い出されたことが推察されました。

母親は同居しながらしばしば乱暴になる子供を抱えて疲れ果て、どこか施設に入れることはできないものかと相談支援専門員に相談したのでしょう。

それで、グループホームへ調整するのですか?

私にしてみるとこれは騙し討ちなのですよ。グループホームに入って欲しいと思っているのは本人ではなく母親です。本人にはそのへんを差し向けても満足な返事は返ってきません。まだ病気の真っ最中でそんなことを考える状態ではない。母親に言われてくっついてきているだけなのです。もしもこの人をうっかり入所させたらほどなく、暴れたり大声を出したり被害妄想を訴えたりするでしょう。他の利用者の平安は乱れ、世話人さんは強いストレスに晒されて、この状態を放置すればどんどん辞めていかれることは必至です。

ですから関係機関からの事前の情報(フェイスシート、アセスメント表)はとても大事な資料なのです。

区分の話に少し戻るとひだまりのいえでは区分4の方もいらっしゃいます。区分だけで入所の可否を決めるものではないのです。

私はゴールキーパーのような仕事をしています。

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