ひだまりBlog

ときどき起こる転倒事故について

福祉施設に長く勤めている人ならばたいてい経験があるのがご利用者さまの転倒です。高齢者の介護施設では転倒がもっとも気をつけるべきインシデントで、職員は毎日、注意を払っています。ひだまりのいえにおいては過去に2度、ご利用者さまの転倒がありました。

2名とも認知に関してやや課題があり、歩行がすり足で転倒不安がありました。また言語が不明瞭で何を言っているのか聞き取りにくい特徴もありました。

ひだまりのいえでは世話人さんは、16時からの勤務になるので、出勤時に転倒した利用者を見て外傷等に気づくことになります。転倒の瞬間を見ることはほぼできません。

ご利用者の話がさっぱりわからない場合は、とりあえず全身をチェックします。念の為バイタルもとっておきます。

先日の転倒事案では、本人は「大丈夫」だとか「よく覚えていない」と言っている。顔を擦りむいているが手足に怪我はない。まあいいだろう。ということで夜勤者に申し送りをしました。本人は疲れたのか早く寝たようでした。そして、翌日の早朝にリビングにやってきた転倒者の顔をみて、その痛々しい顔にびっくりすることになりました。顔のあざ、腫れは数時間経ってから目立ってくるのです。ちょっと赤いくらいの目の周りがお岩さん状態になります。

観察のポイントとして、手足に怪我がないことは要注意です。顔からダイレクトに転倒したであろうことが推測できるからです。外傷がさほどでなくても脳内で出血があるかもしれません。受診をさせて脳のCT写真を撮ることは必須でありましょう。2日後くらいにご利用者が急変して重症化したら「事故後になぜ受診させなかったのだ?」と施設の管理責任が問われます。本人が「たいしたことない、痛くない」などといっても頭部の打撃には要注意ですね。

「世話人の仕事とは何か?」というこれまで何回か触れた問題に行き着くわけです。世話人は食事の準備や掃除などの家事、そして「こんなことがあった」とのご利用者さまとのコミュニケーションが主な業務です。ですが、私が考えるもっとも重要な業務はイレギュラーなことがあった際の対応力です。救急時の対応は介護施設では時々あることです。そこでは研修等もありましょう。グループホームの世話人は特に福祉の資格を持っていなくてもできる仕事です。以前にも申し上げましたがいわば素人集団です。ご利用者さまが転倒した時に、しかるべきケアができるかどうかは重要ですが、それにはある程度の知識、経験、機転が求められます。

いつもの勤務ではラクな態度で仕事をしていただいて構わないのですが、アクシデントが生じた際には別のスイッチを入れてほしいのです。的確な観察、処置、報告を求めてしまいます私は。

LINEWORKSもありますし、こんな時にこそ私に連絡してください。(※先日の転倒事案はうまく報告されました)

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