ひだまりBlog

つい「ググってくれ」と言いたくなる私/知識の呪縛について

「ちょっと何いってるのかわからない人の特徴」というYouTube動画を見ました。統計学の専門家というか、セミナー開いてオンラインサロンなどで儲けていそうな若手の女性YouTuberでした。

「何いってるのかわからない人」の特徴の一つに、『特異情報を使ってしまう』というのがあります。2者間で話をする際に、人は共有情報で話をします。例えば「日本対クロアチア戦ではPKで負けた。PKは運かな。実力かな。」といった話題では、サッカーの玄人もニワカも同じ土俵で話ができると思います。サッカーについてそれほど知識がなくても自分の意見が述べられるし結論の出る話でもないし、無難な話題です。

それに対して「Aさんの癇癪はけっこうひどいなあ。強度行動障害と言ってもいいのではないか。知的と発達のコラボレーションだなあれは。何かよいプランはないかなあ。」と上司が世話人さんに言ったとします。これは特異情報が入っているのでしょう。強度行動障害の意味、知的と発達のコラボレーションとはどういうことか、癇癪はまあ一般的な言葉ですが厳密にいうと精神科医療の専門家はちょっと異なる定義の上で使っているかもしれません。

相手が知らない言葉や概念を用いて話をしてしまうのを「知識の呪縛」と言うそうです。これは一般的に頭のいい人が陥りやすい現象とのこと。「このくらい説明しなくても相手はわかるだろう」と思って話をするのですが、聞く側は意味がわからず、場合によっては漠然とした圧を感じることと思います。

2者間でこのワードは使っても通じるかどうかのメタ認知ができていないから起きるのです。(書いたあとでメタ認知の意味がわからない人もいらっしゃるだろうと気づきました)

※「知識の呪縛」のかかった言葉を受けた側の反応は人にとって異なっていると思います。先日の児童養護施設者向けの研修では私の知らない言葉がたくさん出てきました。

私はノートにメモをとりながら後でウィキペディア等を調べておおまかな意味を掴むことにしています。5年前の事業の立ち上がりの時期は毎日がそんなかんじで、電話の相手や、訪問先の方に意味のわからない言葉について訊いていました。「聞くは一時の恥」の精神です。

もう一つ、「何いってるのかわからない人」のパターンを述べましょう。「日記帳のように話す」という行為があります。出来事をすべて時系列で逐一報告するのです。「15:00に入室するとキッチンのシンクは使った食器がそのままで、本人はいるのかどうか気配がないのでわからなかったのですが、夕食時に声掛けした際には居室にいたようでした。その後、ドアが開いた音がして、その時に出ていったみたいなのですが、その前に居室で誰かと電話をする声も聴こえていたので、友達に会いに行ったのかなと思いました。C君も『部屋を片付けているから家出をしたのもしれない』といっていたので、そうなのかと思いました。C君は彼と最近、彼と話をしたそうで、その内容は‥」といった具合に壮大なドラマが展開されていきます。日記帳のような話をする人の心理は、報告に漏れがあってはいけないという気持ちが強いのですね。報告に漏れがあって後で上司に「なんで報告しなかったんだ」と怒られるかもしれないと思ってのことだそうです。完璧主義の人に多い傾向とのこと。

この手の人に「結論から言ってくれ!」といっても無理なのだそうです。メンタルや認知に原因があり、このような人にはパースペクティブシーキングのアプローチが必要とのこと。相手の側の視点に立ってみる、自分の考え方と異なる視点でモノを考えようということです。「私は完璧に報告しているのです」という完璧主義の人の考えに対して「報告はかいつまんですればいいじゃん」という視点を持つ人もいることに気づくことが大切なのです。

『目から鱗が落ちる瞬間』とは「自分の考えや思い込みとはまるで正反対の考えを持っている人の話を聞いて自分では思っても見なかった発想を得たときではないでしょうか」とこのYouTuberは述べています。

最後に「過剰な防衛反応」がちょっと何をいってるのかわからない言葉につながるようです。例えば、マイナンバーカードが2024年に義務化されるそうですが個人情報の漏洩について過剰に不安を感じる人もいます。その手の思考の延長線上の話で、通販サイトへの問い合わせの電話で「住所を教えたくないので、住所を教えずに商品を届けて欲しい。」と要望するお客様がいらっしゃるとのこと。まさに「ちょっと何をいってるのかわからない」状況が発生しています。

謎解き統計学/サトマイ
(この動画のタイトルは私の思いとは違います)

昨日、偶然出会った動画ですが、よい番組を見つけました。

「仕事の指示は、もっと優しく丁寧にしてください」という世話人さんの私への要望もこのネタを上げるきっかけになっています。

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コメント

    • 皆川
    • 2022年 12月 11日

    私にとって、荻野さんのブログが目から鱗ですね。

      • 荻野吉重
      • 2022年 12月 12日

      私はちょっと何をいってるのかわからない言葉を時々いってしまうようです(笑)

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