ひだまりBlog

ガスと包丁が使えるグループホーム

今日はキッチンについての話をします。ほとんどの障がい者向けグループホームでは利用者のガスの使用は禁じられているそうです。これは外部の相談支援専門員さんからの口コミ情報です。まず、ガスでなくてIHですよね。ガス台を使っているところは少ないのでは。火事を心配するのは施設としては当然です。障害支援区分4以上が8割以上を占めないグループホームではスプリンクラーの設置は義務付けられていません。ひだまりのいえもスプリンクラーは付いていません。

利用者のガスの使用が認められているひだまりのいえでは、ご利用者さまは昼食を自分で自炊することもやろうと思えばできます。仕事が休みの日にちょっとした軽食を作る方はいますし、毎朝5時に起床してお弁当を準備していく人もいます。前日の晩や早朝にキッチンを使用されます。調理をするってことは、当然、包丁も使用するのです。

包丁が好きに使えるグループホームはほとんどないそうです。

ほとんどのグループホームでは包丁は鍵付きの場所に保管されているそうです。利用者は包丁を手にすることは世話人不在時にできないのはもちろんのこと、世話人がいても持てないところが多いのではないでしょうか。私はこれを書きながら「もしかするとまずいことを言っちゃっているのな」と漠然とした心配も少しあります。そのくらいグループホームに包丁は似つかわしくないらしいのです。ただ、他のグループホームさんに問いかけたいのは「なぜそう決めたのですか?」ということ。

「それは危険だからです!」と即答される気もしますが。

包丁問題は、グループホーム運営について私には象徴的なのです。皆さん、本当に考えた上で決めているのかなと。包丁が使えると生活の質はグンと上がるものですよ。調理は自立にあたりとても大事な要素だと私は考えています。

「いやいや、もしも万が一、利用者が包丁を使って自傷他害の行為に至ったらどうするのだ。」とおっしゃる方がいらっしゃるでしょう。私の応えは明快です。包丁のある環境下でも安心できる方のみに入所していただければよいのです。

入所の際のアセスメントで「この人に包丁を持たせても問題はないか。」とここをきちんと把握する必要があります。当たり前のことですが、包丁フリーだとヤバそうな人はそれほど多くはいません。境界型パーソナリティ障害傾向のある人は問題があります。なので、うちではBPDの人は入所できません。入所の可否についてのモノサシとしてこれはとてもよい基準だと思っています。

そうは言ってもアセスメントが間違えていたらどうするのだ、あなたは面接でもしくはフェースシートの情報ですべてがわかるのか?と思われる方もいるでしょう。確かに、入所時には特に問題がなかったが入所して3ヶ月とか1年等の経過の後に問題がみえてくるケースもありました。例えば、(コップが何者かに壊されていた。それは2回あった)これは気持ちの悪い出来事でした。その後、(ホームの近所の家の窓ガラスが何者かにより壊された)と続きました。これはかなり怖い出来事です。数カ月後に別の理由で退所となった人がいてその後はコップも窓ガラスも壊れていません。

他にも問題な言動をする入所者がいて、世話人や私が包丁をキッチンに置くことにストレスを感じてくることがありました。嫌な気分なので鍵付きの場所に包丁を保管することもありました。その人が退所になるとホッと安堵して包丁の問題はなくなりました。包丁がある種のリトマス試験紙になっているのです。

ガスと包丁が使えるグループホーム、これはひだまりのいえの大きな特徴です。

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